大力memorial後記

四月いっぱいでお世話になっていた「大力茶屋」を卒業する事になりました。

飲食店と言うカテゴリーで働くのは初めてでした。
1月末に母が亡くなって、8月の末に父が亡くなり、9月13日の父の誕生日にカミさんとくらし館で買い物していた所「携帯の扱い方がわからない」との事で大力に訪問し問題解決。うつ病でドコモの店を退職した事を世間話の様にしたらスカウトを受け、翌日からお世話になる事になりました。

かつてのお客様が自分のボスになるなんて・・・(笑)思ってもみませんでした。
こんな奴でも拾って頂き、店長の面接も受けずに採用して頂き驚きとプレッシャーが一度に襲って来ました。
営業やフォローの原田は知って中味ご存知ないでしょ。そんなんで即採用は・・・あっていいのか?!😅
でもね、人間には経験と感がモノを言うことがあるのをこの後知ることになるんですなぁ。

最初は朝の店内掃除でした。11時からのOPENに間に合わせないといけませんでしたが、10半位からお客さんが席に座られ始めプレッシャーと戦いながら遅れてました。(笑)
何にもわからんで、結構怒られて凹んだことがありました。

でも、一つ決めてる事がありました。今回の仕事は学びの仕事。決して自分の利益とかを追ってはいけないという自分との取り決めがありました。

怒られて凹んでも癒されるものがあったのです。なので、初めての環境や仕事の順番の中で押しつぶされる思いを緩和したのは・・・何だと思います?
週に1回リニューアルをされる社長の奥さんの生け花なんです。お客さんからもお褒めの言葉を頂かれてました。
スタッフで気にしてるの俺だけ?(笑)
男のくせに生け花とか興味あるわけ?とか思うかも知れませんが、自分にとっては大力中のパワースポットですね。芸術性にもすぐれてます。省スペースの中にそれぞれの季節感溢れる葉や花を躍動感湧き出す様な生け方。花とか好き言うよりか、生け方のセンスが自分には真似出来ない感じで。
店に入ると季節感を感じる。
日本人の特質でもあると思うけど、上手くそれを利用されてしまった感覚と言うか・・・(笑)分かってもらえますかね。大笑。
ま、それ程奥さんの生け花が好きで1番の癒しのパワーをもらえたという事です。多分ね、お客さんにもそう言う人、上にも書いたけど多いと思います。
ただね、ただ!残念なのはワシの卒業の当日4月末の日は生け花でなく(T_T)子供の日のイミテーションでした⤵⤵
(笑)まぁでも、ダメって言われてもうどん食べに来ますしリアルタイムでパワー頂戴に参ります。

食べ物だけではなく、視覚からもパワーもらえるってイイよね。て言うか、気付いた人だけが感じることが出来る。得した気分です。

大力にはパワーをくれる人がいっぱいいます。
これまであった人の中ではかなりな上位に食い込むメンター的な存在。
ある時は、兄貴的な存在である時は上司、ある時はコントの相方の様な店長そしてロックを愛するちょいワルオヤジ
凹んでる時には励ましてもらい。お互いボケた時には突っ込む。ホールに出たら責任感を貫く人間的にも憧れでありかっこいいマインドの持ち主です。
知っている限り、ロックを愛している人に悪い人は1人もいません。自分はテクノ派なんですけどね(笑)

こういうことがありました。
餅の事を店内では「力」と言います。
「焼き力あと20秒!」と一声後。焼き上がりがめっちゃくちゃ美味しそうで普段あんまりもちは食べなくて出されたらいただきます的な感じなんですが、その時の焼き力ばかりは「お客さんに出したくない・・・自分が食べたい!」と思えるような仕上がりでした。
結局何が言いたいかと言うと。
その、熟練された感。
1番素材のいい時を知っている!美味しい時を知っている。
なんか普通の出来事の様ですが、予測してた通りにその現象がハマっちゃうと傍から見ていたら鳥肌立つ位、アメージングな訳ですよ。
それを見てからはこっそり、予測と結果を意識する様になりました。
個人的にはサプライズで色んなモノを頂きました。
最近はホールに出てこられることがありませんでしたが、出られてた時はめっちゃストーカーしてました。お客さんへの対応は食い入るようにチェックさせて近くで(笑)片付けしながらミミを大きくして自分の栄養とさせて頂きました。
でもね、露骨に真似をするとチェックが入り
「おい、ヒロフミ!ちょっと来い。お前真似すんな!!」
と怒られてました。
著作権侵害の気分だったんでしょうか。逆だったらやっぱりオレも怒るかなと思い、露骨に真似はせずビミョーにヒロフミちゃんスパイスで味付けする事を覚えました。
なんで真似するか、その行動は理にかなっていてしかもクレームを遠ざけます。店を回転させる事が出来る人はヤッパリちゃんとしてるんです。
それを見に付ければ同様の対応が出来ると思ったんです。
ココでネタばらしなのですが、店内でもある程度評価を頂いておりましたが、実はヒロフミちゃんは店長のコピーを自分に創り出していただけなんです。(笑)だから発明者?先駆者?の店長に称賛が本当はあります。
怒られるとまたこじれちゃうので。
ヒロフミちゃんスパイスと言う技を身に付けることであたかもオリジナルかのように見せてしまうのは自分の成長につながったと思います。
このおかけで大力を卒業するまでコピーの件で店長にバレなかったのは(爆)一安心でした。
1番自分を成長させてくれた気がします。めっちゃ感謝してます。憧れのスピリットもマネにヒロフミちゃんスパイスかけて自分のモノにしていきたいと思います。

まだまだありますよ。
話す相手によって視点を相手のモードに合わせる技!
お客さんと話す時にはわかりやすいように。
スタッフに対する時は手順がわかりやすく。
社長や奥さんと話される時は経営者に必要な情報を。

つい最近、お持ち帰りのうどんを袋に詰める作業をしながら背中で聞いていました。
社長には現状をわかり易く、S先輩とはうどんやそばなど出る順番を途絶えることなく。
コミュニケーションとシェアが上手い。
この技はマネが難しいんです。
持って生まれた素質もあると思うんですよ。
完璧マスターは無理でも、シェアのコツは番号案内に少し応用ができたかなと思います。

情報の共有が組織の中ではかなり重要だなって事が身体でわかりました。

他の職場では本当にあるかどうか分かりませんが、前の職場で習ったことはありますが実際にはありませんでした。その事が職場にはありました。
「今日の番号案内は良かったじゃん!お持ち帰りも減ったらちゃんと伝えてたし声も出てた。あとはホールの行来がまだ遅いかな。」
ドコモで習った褒めるべき点と改善点。
ココでリアルに出てくるとは思いませんでした。
でも、良かった点は益々磨きをかけて改善すべき点は明確に示すことで改善出来る。2つともプラスになっていくわけで、このシナジー効果を実感することでまた自分の栄養とする事が出来ました。有難いです。

大力で学んだことは身体と心を持って吸収してヒロフミちゃんスパイスを混ぜてアウトプット。
そして、いつしかどの場面かで同じように思っていただける人が出て来たら嬉しいなと思います。
かっこいい生き方かっこいい魂の持ち方は実践していきたいと思います。

S先輩からも色々教えて頂きました。年末のレジの時にご愛顧の在り方。
一言添えるだけで相手を和ませフレンドリーになる技。
飴ちゃんももらってました。疲れた時には甘い飴がちょっとだけ癒されます。閉店後の片付けには凄く有難かった。水曜日の持ち帰りの時にも差し入れを頂いてました。グルメという訳では無いけど、頂く食べ物は確かにうまいんです。
自家用と呼んでるまかないがあるんですが、自分で盛り付けるよりS先輩がやった方がハッキリと美味しいんです。
最近気付いた事なんです。
盛りつけの隣に食器を洗浄する機械がありましてそこを担当している時、ダスターと呼ばれる拭き物を小まめに洗う様に指示を受けます。割と頻繁に。そして、時間が空いたら周りをキレイに整頓しだす。単なるきれい好きと言うだけではなさそうです。必要な食材は早めに手が届く範囲に準備と手配。
少なからず、洗浄担当の場合は時間がある時は真似して台を拭いたりシンク磨いたり自分もキレイな状態を意識してみました。大笑


食材が美味しい状態で出せる様な気の回り方が常に存在してます。ミスが少ないのも凄い集中力です。見えるものから見えないものまで美味しくなる条件が揃ってます。
ネギをひと欠片無駄になってしまったことがあってかなり怒られた記憶があります(笑)
オコでした。(笑)
社長をはじめ奥さんや店長にも共通・・・と言うか、上級スタッフ含めてお客様には美味しいものを美味しい状態で提供したいと言うストレートな思いが伝わります。
食材を無駄に粗末にしないスピリットを感じます。
店長の焼き力の件とかぶりますけど揚げ物の冷凍庫が盛りつけブースのそばに有るのですが、野菜天とかき揚げを持ってくるように指示を受けて指示されたその数がまた冷凍庫の容量にストライクな時にはちょっと感動します。
見た目ヤンキーで口も悪くにやがったりもしますが(笑)、ピュアで心遣いと思いやりを忘れない人です。

無駄にしないというのは本当は重要な事かもしれないです。
でも、セコいと言うのとは全く意味が違うみたいですね。
ザルそばに刻み海苔を載せる時に社長の前だったので、ちょんと少しだけ載せてお客様の所へ運ぼうとした所、
「ああ!ちょっちょっ、こら海苔が少ない!!あなたはこれを見て美味しそうに見えますかっ!?」て怒鳴られた記憶があります。もうね、鈍器で頭ぶん殴られた思いでしたよ。
正直、社長の事をセコい人かなと思ってたんです。自分は大切なことを忘れてたんです。お客様の視線、お客様の事を。
そう、完璧にお客様目線ではなく、店員目線だったのです。
多分、ここがターニングポイントでなかろうかと思います。
お客様に最高のものを提供したいと言う事を自分のベースに置く。コレは店長にホールで見せて頂いた姿で確信出来ました。
社長の言葉・・・刃物みたいに心に突き刺さる(笑)
水曜日、お持ち帰りの黄色い旗が有るのですがボロボロになって交換を命じられた時「ヒロフミちゃん、旗にお役目ご苦労さまて声掛けてあげて。」・・・じーん。ものに対しても愛着を感じられてるのを感動してその言葉に従いました。
古くなって新しいのが出たらすぐ捨てるそういう世の中をずっと見てきて、生でそう言う人がそばに居てくれるのはこれこそ日本人の心かなと。「お役目ご苦労さま」感謝と労いの言葉。
先入観でセコい人だと思った自分が恥ずかしくなりました。

決定的に学びとなった事がありました。熊本地震の時です。
その日は地震が頻繁に来てホール内の窓ガラスが大きくグラグラ揺らいで、お客様のどよめきがありました。
「もし、何かあったらお客様からは一切お代はいただかないで、安全に外にご誘導して!」とスタッフ全員に周知されました。当たり前と言えば当たり前でしょうけど、普通の経営者だったら自分の儲けとか損とかを考えて、こんなにも即答で判断して最善を促すことはまず出来ないはず。もし、自分が社長の立場だったらこんな判断下せただろうか?
儲け度返し。あくまでもお客様に喜んで頂く事が芯。
これはもう、器なんでしょうか。心の器。

旗の件とかぶるけど、うどんの生地をMIXしたりするミキサーもいよいよメンテナンスで動かなくなった時店長あれも水曜でした。動かなくなったにもが変わらず最後社長の手洗いでキレになって役割を終えました。「お役目ご苦労さま」。
今までありがとう・・・。
なんかねぇ、気持ちの持ち方や人やもの食材に対しての思いはちゃんと意識して行くべきかなと反省しております。

共通する口癖が有ります。
社長「有難い。有難い。・・・」
店長「Thank you so much!」
S先輩「ありがと」
形は違っても皆さん、感謝の言葉が口癖なんです。
他のスタッフ気づいてるかどうか・・・。(笑)
そう、ヒロフミちゃん丸パクリなんでこれもコピーします。

大力茶屋ではかなりなお宝を頂きました。金銭とかではなくそれ以前のもの。
確かにレッドブルとかのエナジーやオヤジドリンクの飲み物、マッサージや整体で自分にお金をかけてきました。お客様にどうしたら喜んでもらえるかそれだけが知りたくてとりあえず笑顔は絶やしてはいけないと言う思いで自分に投資してきたつもりです。
確かに貧乏には傾きましたが、得るものは沢山ありました。
今まで働いて来た中でもハードで濃い内容でした。
(笑)21とか28連勤もあったなぁ。
でも、面接もせずこんなやつを仲間に迎えていただき、失敗してもフォロー頂き凹んだ時には励ましてもらってかなり幸せでした。
オレね、自分を成長させてくれる人大好きなんです。
ムカついて文句を言う人と何かのために苦言を言う人。
見分けがつくようになりました。
だから、みんな好きです。
自分の路を芯として持ってらっしゃる社長も店長は特に。
自分もそういうふうにありたいです。
本当に感謝がつきません。

本当ならばまだまだ、大力茶屋で色んなことを学べるはずだと確信して働きたかったのですが、どうやら経済的に危機でありまして家庭の事情で苦渋の決断を下す結果となりました。

あぁまだいたかったなぁ。(笑)
最後の日、GWに出てくれないかとお声頂きました奥さんスペシャルTHANKSです。こんな自分でも後ろ髪引いてくれる的なシュチュエーションが有るなんて思ってもなく、思わずウルッと来ちゃいました。ありがとうございます。

そうそう、最後らへん社長に「大黒柱」と呼ばれてました。
有難いエールを送って頂いてると解釈しております。
「ヒロフミちゃんがおらん事なったら大力は倒産確定!」とか「よっ!大力倒産の立役者!!」とまでお声を頂きました(笑)恐らく社長なりに後ろ髪を引いて頂いたと解釈しております。もしそうであれば本当に有難いです。

大力茶屋のヒロフミちゃんは卒業となりましたが、大力茶屋大ファンのヒロフミちゃんは生きてる限り永遠に健在なのでまた外側からお邪魔したいと思います。

でもね、心残りな事があります。
ダスターの出しすぎは翌朝干す時にかなり手間がかかってしまうこと。
そこら辺の洗って消毒したかどうかわからないダスターを持ってお客さんの所へ向かう洗わずにまたそのまま使う。
引き膳した時に椅子は開っ放し箸箱開きっぱなし一味やメニュー票がバラバラに置いたまま(T_T)ココはさっきまで誰か居ました感残してはまずいのに・・・。
箸箱の肉汁やカレースープの飛沫汚れ。
箸箱補充時の箸の不揃い。
お客様から、「ちょっとすみません」と言われてダスターを手に取られご自分でテーブルを拭かれる事態。これはスタッフとしてかなり恥ずかしい。
引き膳途中でお盆置きっぱなしで他のお客様座りたくても座れない状況そのまま忘れて放置。など、改善の展開がうまく出来ないままでした。
今のお客様も後のお客様も大切なお客様と言うのを意識に入れて行動できればよかったなぁ。
リアルな反省もいっぱいあります。あ~心残り。

食に対しても心に対してもパワースポットの大力茶屋とは個人的にもコラボレーション出来たら嬉しいです。

「ヒロフミちゃんは当たりやったばい!」と思ってもらってたらめちゃくちゃうれしいですな。そんなことないかな。
ワシ、丸パクリだし(爆)
大力茶屋の歴史に名前を残せたのは誇りでもあり皆さんと絡めたことは史上極まりない喜びであります。

来世もまたご一緒出来たら嬉しいです。

ダラダラ長々と乱文乱筆思いつきな文章にお付き合い頂きありがとうございます。

これをお読みの皆様、ヒロフミちゃんは卒業ですが大力茶屋は健在です。今までと同様のご愛顧賜りますようよろしくお願いします。m(_ _)m